【実戦編】ローソク足3パターンだけで「エントリーと撤退」を決める方法

前回の記事では、ローソク足を「勢い・ブレーキ・迷い」の3パターンにざっくり整理して見るところまで話しました。

この記事では、ローソク足3パターンを「エントリー」と「撤退」の具体的なルールに落とし込んでいきます。

テーマは「勝ち方」よりも「無茶を減らす型づくり」。
ローソク足3パターンを使って、

・いつ入るか
・どこで損切りするか
・どこで利益を確定するか

を、シンプルに決めていきましょう。

生活防衛FXのスタンスなので、大きく勝つより「退場しない」のが最優先
その前提で読み進めてもらえるとしっくりくると思います。

この記事でやること|3パターンで「入る・やめる・見送る」を仕分ける

まず、この記事のゴールをはっきりさせておきます。

  • ① エントリーの条件:ローソク足3パターン+「場所」の組み合わせ
  • ② 撤退(損切り・利確)の条件:想定と違ったときの「やめ方」
  • ③ あえて見送る場面:ローソク足3パターンでも入らないパターン

この3つを決めておくと、感情ではなく「ルール」で動けるようになります。
ローソク足の知識を「わかる」で終わらせず、「使える」状態まで持っていくのが今回の実戦編です。

※ローソク足3パターンそのものの性格については、
【基礎編】ローソク足3パターンだけ覚えてスタートする方法で詳しく書いています。

前提の整理|ローソク足3パターン+「環境認識」がセット

実戦でローソク足を使うときに、絶対に切り離せない前提が1つあります。

ローソク足は「単体」で見るのではなく、
必ず「流れ」と「場所」とセットで見る。

この記事では、前回の3パターンをこう扱います。

  • ① 勢いのローソク(大きな実体)… トレンド方向に「乗る」かどうかを見る
  • ② ブレーキのローソク(長いヒゲ)… 反転や利確ポイントのヒント
  • ③ 迷いのローソク(小さな実体)… 「まだ触らない」サインとして使う

この3つに加えて、上位足での環境認識をざっくりでいいので毎回入れます。

  • 4時間足・1時間足:全体の流れ(上昇・下降・レンジ)
  • 15分足・5分足:エントリーのタイミングを見る時間足

「ローソク足の形がこうだから入る」ではなく、
「この流れの、この場所に、この形が出たら検討する」に変えていきましょう。

エントリーの基本方針|ローソク足+場所+流れの3条件

生活防衛FXのエントリーは、次の3つがそろったときだけに絞ります。

  • 上位足の流れが、ある程度はっきりしている
  • 意識されそうな価格帯(高値・安値・レジサポ)が近い
  • その付近でローソク足3パターンのどれかが出ている

この3条件を、「トレンドフォロー」と「レンジ逆張り」の2つに分けて見ていきます。

① トレンドフォロー編|勢いのローソクで「乗る」

まずは流れに素直に乗るトレードから。

例えば、ドル円の4時間足で高値と安値を切り上げている上昇トレンドだったとします。
このときに狙いたいのは、次のような場面です。

  • 4時間足で上昇トレンド
  • 1時間足で一度下げてから、直近安値付近で 迷いのローソク → 勢いの陽線 が出る
  • その安値が、過去にも何度か意識されている価格帯

このパターンでは、「一度ブレーキがかかって様子見 → もう一度上に走り始めた」と解釈できます。

エントリーの例:

  • 時間足:1時間足(トリガーを5分足で見てもOK)
  • 方向:上昇トレンドに沿って「買い」
  • タイミング:直近安値付近で迷いのローソクが出たあと、
    その高値を超える勢いの陽線が出たタイミング

損切りラインの例:

  • 直近安値の少し下(ブレーキ・迷いが出ていたゾーンの下側)
  • 「この安値ゾーンをしっかり割り込んだら、今回のシナリオは崩れた」と判断できる位置

利確イメージ:

  • 4時間足で見える直近高値〜その少し手前
  • または、強い陽線のあとにブレーキのローソクが出始めたら部分利確

ポイントは、勢いのローソクだけで飛び乗らないこと。
「流れ」と「意識される安値ゾーン」がそろったうえでの勢いを狙います。

② レンジ逆張り編|ヒゲのローソクで「跳ね返り」を狙う

次はレンジ相場での逆張りです。
ここで主役になるのはブレーキのローソク

例えば、こんな場面です。

  • 4時間足:はっきりしたトレンドではなく横ばいレンジ
  • 1時間足:何度も止められている高値ゾーンに再び到達
  • 高値ゾーン付近で、長い上ヒゲのローソクが連続して出る

これは、「高値で買いが続かなかった(売りが強く入った)」というシグナルです。

エントリーの例:

  • 方向:レンジ上限ゾーンからの「売り」
  • タイミング:長い上ヒゲの高値を更新できなかったタイミングで、
    1本前の安値を割ったところ

損切りラインの例:

  • 上ヒゲの先端より少し上
  • 「この価格帯を明確に抜けたら、レンジ上限としては機能していない」と判断できる位置

利確イメージ:

  • レンジの中央〜下限ゾーンまでの間で分割利確
  • 下限近くで、長い下ヒゲが出始めたら、ポジションをかなり軽くする

逆張りは、トレンドフォローよりも欲張りすぎないのが大事です。
「レンジの端から端まで全部取ろう」とせず、「高値圏→真ん中あたりまで」くらいで十分。

③ あえて「見送る」パターン|迷いのローソクが続くとき

実戦でいちばん役に立つのが、「入らない」という判断です。

次のような場面では、ローソク足3パターンが見えていても見送り推奨です。

  • 上位足でトレンドかレンジか判別しづらい
  • 意識されている高値・安値が近くにない
  • 迷いのローソクが連続していて、方向感が出ていない

こういう場面で無理にエントリーすると、
・損切り → 方向が出たらそっちに動く
・損切り → そのあと急にトレンド発生

みたいな「一番もったいない負け方」をしやすくなります。

「迷いのローソクが続いているうちは、こちらも迷っていていい」
くらいに割り切ると、ムダなトレードがかなり減ります。

撤退ルールの作り方|ローソク足1〜2本で「間違い」を認める

エントリーのルールと同じくらい大事なのが、撤退(損切り・利確)のルールです。

生活防衛FXの考え方としては、

  • 損切り:シナリオが崩れたら、ローソク足1〜2本分で認める
  • 利確:勢いが弱まってきたら、少なくとも一部はやめる

この2つをローソク足3パターンに当てはめていきます。

損切りの基準|「ここを超えたら考えが違っていた」と決めておく

損切りを決めるときは、ローソク足のヒゲと実体を使って「否定ライン」を決めると迷いにくくなります。

  • トレンドフォローの場合:
    → 上昇トレンドの押し目買いなら、押し目の安値の少し下
    → 下降トレンドの戻り売りなら、戻り高値の少し上
  • レンジ逆張りの場合:
    → 高値圏での売りなら、長い上ヒゲの先端の少し上
    → 安値圏での買いなら、長い下ヒゲの先端の少し下

ここを明確に抜けるローソク足(①のような勢いの足)が出たら、「今回の想定は違った」と認める、とあらかじめ決めておきます。

ロットを小さくしておけば、「間違えたときに認めるコスト」は、生活へのダメージにならないレベルで抑えられます。

利確の基準|勢い→ブレーキへの変化に注目する

利確は「どこまで伸びるか」よりも、「どこから鈍り始めるか」に注目します。

  • トレンド方向に勢いのローソク(①)が連続していたのに、
    → 長いヒゲのブレーキのローソク(②)が出始める
  • 上位足で意識される高値・安値に近づき、
    → 迷いのローソク(③)が増えてくる

このような変化が見えたら、

  • ポジションの半分〜7割を利確
  • 残りは建値(もしくは少しプラス)にストップを移動

という形にしておくと、「伸びたらもう一押し、ダメなら勝ち逃げ」の形を作れます。

実戦イメージ|ローソク足3パターンで考える「2つのシナリオ」

ここからは、具体的なイメージが湧きやすいように、
ざっくりとしたシナリオを2つだけ紹介します。

シナリオ1:上昇トレンドの押し目買い(勝ちパターン例)

  • 4時間足:高値・安値切り上げの上昇トレンド
  • 1時間足:一度下げて、前回の安値ゾーンに戻ってくる
  • その安値ゾーン付近で、長い下ヒゲ(②)+小さな実体(③)が数本
  • そこから、直近高値を超える勢いの陽線(①)が出る

ここでの考え方:

  • 下ヒゲ+迷い → 「売りの勢いが弱まり、様子見」
  • そのあとに大きな陽線 → 「買いがもう一度走り始めた」
  • 場所は、上位足の押し目ゾーン → 「トレンド継続の起点になりやすい」

エントリー後、狙いどおりに高値更新していけば、
上位足の次の抵抗帯付近で部分利確+ストップ切り上げをしておきます。

シナリオ2:レンジ上限からの売り(損切りパターン例)

  • 4時間足:明確なトレンドはなくレンジ相場
  • 1時間足:何度も止められている高値ゾーンに再接近
  • 高値付近で長い上ヒゲ(②)が1本だけ出たので売りでエントリー
  • しかしその後、さらに大きな陽線(①)が出て高値を更新

ここでやりがちな間違い:

  • 「また戻るかもしれない」と損切りラインをずらす
  • 上ヒゲの先端を大きく超えても、根拠なく我慢し続ける

生活防衛FXのルールでは、

  • 上ヒゲの先端+αに置いた損切りラインを、大きな陽線(①)で明確に抜けたら即撤退
  • 「レンジ上限」ではなく、もはや上抜けのトレンド候補として見直す

このように、ローソク足1〜2本で「シナリオが否定された」と認める練習をしておくと、
連敗したときでもダメージを最小限に抑えられます。

練習メニュー|いきなり本番で試さないために

最後に、この記事の内容をいきなり本番で試さないための練習メニューを置いておきます。

STEP1:通貨ペアと時間帯を固定する
例)ドル円+21〜23時の1時間足・5分足だけ見る

STEP2:過去チャートでパターン探し
・勢い(①)→ ブレーキ(②)→ 反転 or 続伸 の場面をスクショ
・レンジ上限/下限でのヒゲ(②)の出方をスクショ

STEP3:チャートに「入る・やめる・見送る」を後付けで書き込む
→ 「この位置なら入ってもよかった」「ここ抜けたら損切り」など

STEP4:デモ or 超少額で実際に1日1トレードだけやってみる
→ ロットは「負けても生活に影響ゼロ」の金額に固定

焦ってロットを上げるよりも、「自分なりの型」を作る方が長期的には圧倒的にコスパがいいです。

まとめ|ローソク足3パターンは「入る・やめる」の判断軸になる

 ローソク足は、細かい名前ではなく「勢い・ブレーキ・迷い」の3パターンとして見ると扱いやすくなります。実戦では、今の流れを判断し、エントリーを絞るのがおすすめです。
迷いが続く場面は「今は触らない」と決めてしまうのも、大事な戦略のひとつです。

「これなら自分にもできそう」と感じたら、
デモ口座や1,000通貨などの超少額トレードで、自分なりのエントリー&撤退パターンを試してみてください。

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この記事の内容を試すときは、
・デモ口座でパターン確認
・1,000通貨などの少額で「感情の動き」を確認

という2段構えがいちばん安全です。

生活防衛FXの視点では、
「大きく勝つための口座」より、「間違いを安く学べる口座」を1つ持っておくことをおすすめしています。